株式投資、暗号資産など、投資の種類はさまざまですが、不動産投資はその中でもポピュラーな部類に属します。日本は超少子高齢化の時代に突入しており、年金だけで生活していくことは難しくなってくるでしょう。
2024年から新NISAがスタートするに伴って投資に関心を持つ人が急増しており、メジャーな資産運用である不動産投資もフォーカス去れる可能性は高いです。
ところが、昔から「投資をしたくても不動産投資はやめとけ」と否定する人が一定数存在しており、一般的にも危険な資産運用方法だというイメージを持たれがちです。本記事では不動産投資がやめとけと言われる理由やリスクを解説、それを踏まえて不動産投資に向いている人の特徴も紹介します。
- 不動産投資にはさまざまなリスクがつきもの
- できる限りリスクヘッジをすることが大切!
- 向いている人と向いていない人がいる
- 不動産投資は安定して長期的に稼げるのがメリット
不動産投資が「やめとけ」と言われる5つの理由
不動産投資を一定数の人が「やめとけ」という意見が常に出るのは、不動産投資に対してネガティブなイメージを持っている人が多いからです。不動産投資がネガティブなイメージを持たれ、チャレンジすることを否定する意見が消えない理由としては、以下の5つが考えられます。
- さまざまなリスクが多い
- 物件のメンテナンスや修繕が必要
- 経年劣化する
- 金利が将来的に上がる可能性
- ローン返済が長期であり負担になる可能性も
さまざまなリスクが多い
不動産投資がネガティブなイメージを持たれる最大の理由はかなりのリスクを伴う投資方法だからです。どのような投資も必ずリスクを伴いますが、不動産投資は私たちの暮らしに身近な土地・家を使って資産運用します。
物件のメンテナンスや修繕が必要
私たちの部屋にあるものは大部分が消耗品です。数年で大きく劣化することはありませんが、10年・20年と長い目で見ると必ず劣化していきます。したがって築年数に応じて修繕やメンテナンスをしなければなりません。
特にトイレ・浴室・キッチンといった水回りは見た目が悪いと大きくイメージを損ねるので、安定して収入を得るためには大規模な修繕が必要になります。
経年劣化する
時間とともに劣化するのは設備だけではありません。物件そのものも経年劣化していきます。
新築物件を購入したとしても、15年以上経過すれば外壁塗装や屋根の張替えなどといった大規模な修繕が必要になってくるでしょう。特に中古物件を購入した場合、購入した途端に修繕が必要になってくるケースも出てきます。
金利が将来的に上がる可能性
不動産投資をしていくうえで常に付いて回るのが金利上昇のリスクです。不動産投資用の物件を一括で購入できる人はごく一部の超富裕層だけでしょう。
基本的には私たちが住む住居と同様に、不動産投資用の物件もローンを組んで購入することになります。ローンを組むと決められた金額を毎月返済しますが、ローン返済時は元本と一緒に金利も支払わなければなりません。
ローン返済が長期であり負担になる可能性も
不動産投資がネガティブなイメージを持たれる最大の理由は多額の借金をしなければならないという点です。不動産投資用の物件を買うには最低でも数百万円、物件によっては億単位のお金が必要になるでしょう。
住宅ローンを組んだことがある人なら長期のローン返済が負担に感じることは身に沁みているはずです。
不動産投資の5つのリスク
不動産投資が「やめとけ」と言われる理由のひとつにさまざまなリスクがあるからだと紹介しました。不動産投資リスクが生じるのは紛れもない事実で、リスクを被った結果、不動産投資を中止してしまったケースも多々あります。具体的に不動産投資をするとどのようなリスクが発生するのでしょうか。
空室のリスク
不動産投資を続けていくうえで常に付きまとうリスクであり、なおかつ最大のリスクが空室の発生です。空室ができると、その分の家賃収入は基本的にゼロになります・
空室リスクの対処法
空室リスクを避ける方法として、家賃保証をしてもらえる不動産会社と取引するという手があります。家賃保証をしてもらえば空室のリスクをゼロにできますが、その分家賃収入は減少します。
家賃滞納のリスク
入居者がいても家賃が必ずもらえる保証はありません。部屋を貸し出している以上、家賃滞納のリスクも常に付きまといます。たまたま支払い忘れたといったケースならば大きな問題にはなりませんが、なんらかの理由で住居者に支払い能力がなかった場合は大きな問題になります。
家賃滞納の対処法
家賃滞納を防ぐ最善の方法は支払い能力が弱い人を入居させないことです。入居者は契約時に必ず家賃債務保証会社の家賃保証へ加入させるようにしてください。
家賃債務保証会社への加入を義務付けすることで、自動的に債務保証会社の審査を受けることになります。審査に合格できる入居者ならば当面家賃滞納される恐れはないでしょう。
自然災害(地震・地滑り・浸水)のリスク
不動産物件を所有している限り酒得られないのが支援災害のリスクです。日本は地震大国と呼ばれるほど自身が頻発しますし、近年は台風も勢力を衰えないまま上陸し、激しい風雨によって甚大な被害を与えるケースも増えてきています。
自然災害の対処法
自然災害を最小限に抑えるためには、必ず各自治体が公開しているハザードマップを確認してください。特に洪水などの水害はハザードマップで危険度が低い土地を選ぶことでかなり低減できます。
火災のリスク
火災は山火事など自然災害により発生することもありますが、入居者の不注意や放火などによっても発生するため、完全に防ぐことが難しいリスクのひとつです。
できる限りの対策はやっておくべきでしょう。
火災の対処法
火災を完全に防ぐ方法はありませんが、森林や工場から離れた場所の物件を購入することである程度火災の発生率を防ぐことはできます。しかし火災の原因はさまざまなので、万が一発生してしまった時に備えて、火災保険への加入は必須です。
不動産価格の下落リスク
不動産の価格は株式などと比べれば変動しにくいと言われていますが、ずっと変わらないわけではありません。さまざまな要因によって下落する可能性は十分考えられます。というよりも、現状の日本は人口が減少していくことは避けられず、不動産は供給過多になることがほぼ確実視されています。
不動産価格が上昇しているのは都心など一部エリアに限定されており、それ以外の地域は現状維持または下落していく可能性が高いです。
不動産価格の下落に対処法はある?
不動産の下落を最小限に防ぐためには、人口動態をチェックします。物件の購入を検討しているエリアの人口が増加していれば、地価の下落はしづらいと判断してよいでしょう。
また、毎年政府が発表している路線価や地価公示など、不動産価格の大元となる数値についても必ず確認することをおすすめします。
管理会社の倒産リスク
不動産投資用のマンションまたはアパートを購入した場合、メンテナンスなどマンションの管理を自分でする人はほとんどいません。通常、管理業務は管理会社へと一任することになります。
管理会社は管理手数料が主な収入源になっているので、倒産するリスクは不動産会社と比べると低いですが、絶対に倒産しないわけではありません。管理会社に管理業務を一任すると、家賃の回収も管理会社にお任せとなるので、管理会社が倒産すると家賃を回収できなくなります。
管理会社が倒産した時の対処法
倒産した際の対処は、管理会社側が破産申請手続きをしているか、していないかによって変わります。破産申請をしていない場合は、管理会社に対して入金されていない家賃の回収訴訟を起こせます。
ただし訴訟を起こすには弁護士を雇い、費用を支払う必要がありますし、訴訟を越しても全額回収できる保証はありません。破産申請が行われている場合、管理会社の財産のうち、税金などから優先的に回収されます。
一方で家賃の優先度は低いため、このケースでは家賃を回収できる可能性は極めて低いのが現状です。しかし2020年6月22日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が可決・成立しました。
この法律によって、管理会社の財産と入居者から預かっている家賃とは分別して管理することが義務付けられています。
不動産投資に向いている人の特徴
不動産投資に多くのリスクがあるのは紛れもない事実ですが、事前のリスク対策をすれば資産運用のなかでは安定した収益を得られる手法のひとつです。不動産投資には向き・不向きがあり、不動産投資に向いている人にとってはリスクが少ない投資手法だと感じるのではないでしょうか。
不動産投資に向いている人の特徴として考えられるのは以下の3つです。
- 収入が安定している人
- 長期的な目線で投資を考えられる人
- 積極的に新しい知識や情報を得られる人
収入が安定している人
一流企業の社員や公務員など、安定した収入が約束されている人は不動産投資に向いています。不動産投資をするための物件を購入するには多額のローンを組まなければなりません。
安定した収入があれば金融機関からの評価が高くなり、ローン審査に通りやすくなります。したがって、スムーズに不動産投資を始められるでしょう。
長期的な目線で投資を考えられる人
不動産投資は瞬間的な利益を狙う資産運用ではありません。したがって数年単位で収支目標を立てられる人でなければ継続できないでしょう。
不動産投資をしていると、さまざまなトラブルが発生する可能性もあります。
積極的に新しい知識や情報を得られる人
自分が動かなくても家賃収入で利益を得られるため、「不動産投資は不労所得」とよく言われます。しかし本当に何もせずお金が入ってくると思っている人は痛い目を見ることになるでしょう。
不動産投資に向いていない人の特徴
不動産投資に向いている人がいる一方で、登園不動産投資に向いていない人もいます。向いている人と併せて向いていない人の特徴も知っておくと、自分が不動産投資をやるのに向いているかそうでないかがより明確に見えてくるはずです。
不動産投資に向いていない人の特徴としては、以下の3つが挙げられます。
- 属性が低い人
- すぐに利益を求める人
- 自分で勉強せず他人の意見に流される人
最初の属性が低い人とは、以下の条件に該当する人です。
- 収入が不安定な人
- 年収が低い人
- 勤続年数が低い人
- 非正規社員・派遣社員
- 延滞や債務整理をした人
属性が低い人は不動産投資をするうえで必要となるローンを組むことが非常に難しいため、不向きというよりも不動産投資を始めること自体難しいでしょう。
そして不動産投資は数年単位で計画を立てなければならないので、数日・数ヶ月単位での利益を求める人にも向いていません。短期的利益を求める人は別の資産運用を検討しましょう。
不動産投資は自分で勉強しなければ安定した収入を得られません。
不動産投資で失敗しないためのポイント
不動産投資が成功するかどうかは購入してからの運営よりも、不動産会社選びと物件購入でほぼ決まるといっても過言ではありません。つい早く物件を購入して実際に不動産を運用したいと考えてしまいがちですが、不動産会社選びと物件選びは時間を賭けて慎重におこないましょう。
正しい不動産会社を選び、価値ある物件を見つければ特に何もせずとも安定して利益を得られます。
実績のある不動産投資会社を選ぶ
不動産会社選びでチェックしなければならない部分は多々ありますが、最優先でチェックすべきはどのような実績を残しているかです。実績はその不動産会社に実力があり、なおかつ信頼されていることを示す何よりの証拠になるため、ほかの不動産会社より売買頭数や管理戸数が多い不動産会社は多くのノウハウを持っていると判断できます。
立地にこだわり物件を選ぶ
不動産投資を進めていくうえでもっとも時間を賭けなければならないのが物件選びです。良い物件選びをするためのポイントは多々ありますが、もっとも重要なのは立地でしょう。
極論で言えば、建物は建て直すことでデメリットを全て消去できますが、建物の場所は動かすことができません。立地の良い物件を購入できれば、空室になってもすぐに入居者で埋まり、安定して家賃収入を得られます。
無理のない返済計画を立てる
無理な返済計画を立てた結果、トラブルに対処できずに所有していた不動産を手放すというのは、不動産投資で失敗する人の典型的なパターンです。立地が良い物件は人気も高いためどうしても物件価格が高くなります。
立地が良い物件は高い利回りを期待できますが、だからといってその利回りが100%約束されているわけではありません。魅力的な物件であっても、返済計画に無理が生じるのであれば見送るのが賢明です。
それでも不動産投資をおすすめする理由・メリット
不動産投資にはさまざまなリスクがあり、多額のローンを組まなければならないのは紛れもない事実です。しかし不動産投資にはそれを補って余りあるメリットがあります。
さまざまな不動産投資のメリットのうち、特に多くの人が感じるであろう3つのメリットを紹介します。
自分の時間を大きく割くことなく家賃収入が得られる可能性がある
不動産投資では入居している居住者から家賃を支払ってもらうことで収入を得られます。家賃は自分が働かなくても入居者が自動的に支払ってくれるので、不動産投資が順調に進めば自分の時間をほとんど使わず資産を増やせるのが不動産投資最大のメリットです。
融資を受けて投資ができる
株式投資など多くの投資は自己資金が100%なければ始められません。一方、不動産投資は基本的に全額自分で準備するのではなく、ほとんど金融機関などから融資を受けて物件を購入します。
融資を受けて投資ができるというのは不動産投資ならではのメリットといえるでしょう。
とはいえ、借入金額が大きくなればその分返済額も大きくなるので、その点は注意が必要です。
住民税や所得税の節税になる
不動産投資は住民税や所得税の節税効果がある資産運用です。不動産を購入した場合、物件価格は「減価償却費」扱いとなり、数年間に分けて費用計上をおこないます。
減価償却費は経費扱いになるので、本業の所得との損益換算ができます。
不動産投資のよくある失敗例
不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、事前に予想することでほとんどのリスクを回避できます。
リスク予想をするには、過去にどのような失敗があったのかを知ることが一番の近道です。不動産投資の失敗を挙げればきりがありませんが、ここではそのなかでも多くの人が陥りがちな3つの失敗を紹介します。
- 利回りだけを見て物件を購入した
- 不動産会社の言われるままに物件を購入した
- 社会人になってすぐに不動産投資をしてしまった
不動産投資の失敗でもっとも多いのが、利回りだけを見て物件を買い、利回り通りの運用ができずに物件を手放すというケースです。利回りが高い物件は建物が古いなど何らかのデメリットがあり、よほど上手く運用しないと利回り通りの収益にはならないでしょう。
主体性がなく、不動産会社の言いなりになる人も失敗しやすいです。不動産会社が最優先に考えているのは自社の利益で、顧客の利益ではありません。
言われるままに物件を購入したものの、資産価値がまったくない物件で収益が一切得られなかったというケースは毎年何件も発生しています。近年は老後安定した生活を送るためには資産運用が必須だと言われています。しかし、だからといって社会人になって数年しか経過していないにも関わらず、不動産投資に手を出すのは非常に危険です。
(おまけ)不動産投資で大成功した有名人
不動産投資をやっている芸能人は多いですが、そのなかには大成功して巨額の財産を築いた凄腕の不動産投資家も存在します。失敗例だけではなく、成功例を知っておくことも不動産投資を成功させるためには重要です。
ここでは不動産投資で大成功した芸能人として、岡平健治さんと天野ひろゆきさんを紹介、成功理由についても解説します。
岡平健治さん
岡平健治さんはかつてフォークデュオ「19」のボーカルとして活動していました。今でも本職はミュージシャンと公言していますが、不動産を含めた実業家としての収入のほうが遥かに上になっているのが現状です。
投資を始めたきっかけは当時住んでいたマンションの大家さんからのアドバイスでした。19を解散後中国株に投資したところ、5,000万円が3億5,000万円になり、株式投資にドハマリします。
天野ひろゆきさん
天野ひろゆきさんが凄腕の不動産投資家であることは割と有名です。不動産投資を始めたきっかけは、当時住んでいたマンションが手狭になり、そのまま賃貸物件として貸し出したのがきっかけで、現在は都内に複数のマンションを所有しています。
【まとめ】情報と知識を収集することで不動産投資を成功させよう
不動産投資は資産運用のなかではネガテイブなイメージをもたれやすく、「やめとけ」と否定する人が多いですが、自分で動かずとも安定した収入を得られるのは大きなメリットです。空室や家賃滞納などさまざまなリスクがあるのは事実ですが、事前予測をすれば多くのリスクを未然に防げます。
自分で積極的に情報収集や勉強をして、無理な返済計画を立てないのが不動産投資を成功させるためのコツとなります。
コメント